『Death Stranding』について3
クリアした。クリアしてから数日経ってしまったけど。
デスストについては最後かな。
星で言うなら4/5。
2014年、『MGS:GZ』発売。
突如『P.T.』がPSストア上に登場、各種ゲームメディアが「謎の開発スタジオによるホラーゲームがストア上に……」と報じた。
実況者は挙ってプレイ動画を投稿。
後日、『P.T.』は小島プロダクション制作によるサイレントヒルシリーズの新作『Silent Hills』の"プレイアブルテザー"であることが発表された。
2015年、小島プロダクションが解体された。
『MGS:TPP』発売。未完成の状態であった。
小島プロダクションの移動先、第8制作部のインターネットからの隔離、小島秀夫らによるSNSへの投稿の禁止が行われていると報道される。
小島プロダクションによる送別会とみられる写真により、小島秀夫のコナミ退社がネット上で囁かれるが、コナミは小島秀夫は休暇中であるとこれを否定。
YouTube上で『PlayStation®からの重要なお知らせ』という題の動画で、当時SIEのCEOであったアンドリュー・ハウスと小島秀夫が登場、小島秀夫の独立を発表。
2016年、『Death Stranding』を発表。以降、様々な情報が流れ2019年、同作発売。
小島プロダクションの幽閉状態が報じられた当時、まさに暗雲に包まれた状態だった。
コナミは退職者に対する待遇の悪さでも知られる会社で、小島監督が復活できるか全く分からなかった。
そんな中でSIEのトップと共に登場した時は本当に感動した。
ゲリラゲームズやオフィス、銀行での話などを聞いて、TGSでコジプロのブースに長蛇の列ができているのを見て、反対にあったゲームセンターCXはガラガラだったのを見て、今までコナミで築いた実績が力になっていることにもやはり感動した。
コレクターズエディションを予約して、MEME本を予約して、ノベライズ版もスチールブックを予約して、コンセプトアート本も予約した。
TGSでは時間がなかったからデススト関連のブースにだけ行って、グッズも買った。
ゲームをプレイしてみて、それらが失敗ではなかったと思えた。
僕にとってこれは初めてしっかりとプレイする小島監督作品だった。
正直なところ、再び「新しいものを作る」ということが可能なのか疑っていた。
『メタルギア』でステルスゲームを確立したのも『スナッチャー』で映画的演出を取り入れたのも30年も前のことで。
それ以降も作品を作っているとはいえ、現在小島監督の功績として語られるのはステルスゲームの確立と映画的演出ばかり。
結果を言えば新しいものは作れた。
問題は枯れた技術の水平思考的で、しかも任天堂のそれに比べて革新的であるのが分かりづらいこと。
それでも、実態の見えない他プレイヤーが、足跡や梯子などの痕跡によって見えるという感覚は新しかった。
ストーリーは常に謎を抱えていた。
難解なのではなく、意図的な情報制限によって。
故に、途中までは国道敷設に躍起になっていた僕も中盤ではそれをやめて徒歩やジップラインに頼り、ラストスパートを駆けるように早足でストーリーを進めた。
プレイ前に抱いていた予想とは少し違ったエンディングで、プレイ中に抱いた予想にはかなり近いエンディングだった。
プレイ中に薄々気付きながらも、それでも最後には感動できる内容だった。
グラフィックも綺麗で、ムービー中はヒゲや肌、ロープの表面、服などあらゆる場所が詳細に表現されていた。
それに、川、海、雨、温泉、タール……と扱っているあらゆる液体が綺麗に表現されていた。
ストーリーにもゲームプレイにも文句はない。
特にゲームプレイに関して言えばもともと完成度が高く、少し不満に思っていたところもアップデートで解消されて殆ど満点の状態だった。
それでもトータルでは満点をつけたくない。
何故なら、ムービー中の動作が不安定だったから。
エンディングを迎えた時、バージョンは1.05。
小さなアップデートとはいえ5度のアップデートを終えた後でも変わらなかった。
具体的には、ムービーが一時的に停止したり、音声のみ停止したり。
このゲームが出る1週間前に一斉に解放された各社のレビューでは「最初3時間程度はムービーばかり」と書かれていたし、事実そうだった。
ムービーはこのゲームにおいて重要な表現の一つで、小島秀夫の築いたものの一つで、これの完成度は削ってはいけないものだと思う。
だから満点はつけられない。
これはゲームの内容とは関係のない話だけど、ファミ通でのプラチナ殿堂入りの不正疑惑が発売後すぐに出てしまうのはどうかと思う。
それに個人的には、みんな口を揃えて「これは新しいゲームだ」と言っているのがうまく受け入れられなかった。
プレイして僕個人も同じように言っているけれど……。
それでも発売前、マッツ・ミケルセンが「知っているゲームはパックマンぐらい」と言っている一方でやはり「新しいゲームだ」と言っていたのは理解できなかった。
クレジットを見るとMGSからの各スタッフがいること、行方の知れなかなった村田周陽の名があったことなど、ストーリーやゲームシステムだけではない、もっと裏側の面での感動もまた大きい。
ここではあくまでゲームとしての評価をしたけれど、
このゲームはゲームだけをみて評価するべきではない。